性感染症
膣から泡⁈トリコモナス膣炎になると強い異臭を放つおりものが出る
- 2017.09.30
膣から泡が出る。もしくは、強い異臭を放つ黄緑色のおりものが出てきたという方がいれば、それはトリコモナス膣炎かもしれません。
このトリコモナス膣炎を治療するためには、抗トリコモナス剤の飲み薬を7日程服用し、同時に膣に入れる膣剤も使用することで症状が改善されます。
今回は、このトリコモナス膣炎という病気や治療についてお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
■クラミジア感染症は治るの?女性に伝えたい原因と治療法について
■性器ヘルペスは口にも感染する?知っておきたい原因と治療法について
トリコモナス膣炎とは?
■トリコモナス膣炎
トリコモナス症(トリコモナスしょう、英: Trichomoniasis)は、原生生物のトリコモナスを原因とする哺乳類や鳥類の感染症の総称である。
ヒトでは通常性感染症(STD)の一つ膣トリコモナス症(トリコモナス膣炎)を指すが、ほかにも大腸に感染し下痢を引き起こす腸トリコモナス症なども知られている。
トリコモナス膣症:Wikipediaより引用
トリコモナス原虫が原因
トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫が膣内に寄生することで起こる感染症です。
トリコモナス原虫が寄生してから、約1~2週間で発症します。もし感染を放置してしまうと、卵管も炎症を起こしてしまい、結果不妊の原因や流産、また早産の原因になる可能性もあり、治療が必要になります。
性行為以外でも感染しトリコモナス膣炎になる
通常、このトリコモナス膣炎は性行為によって感染します。ただ、このトリコモナスは乾燥には弱い性質を持っているのですが、逆に潤いのある水中などでは長時間の間、感染する可能性を秘めています。
そのため、濡れたタオルやトイレの便座、浴槽などでもまれに感染してしまうことがあります。
膣に泡が⁈トリコモナス膣炎の症状について
女性には症状として出てくるためわかるのですが、男性の場合、無症状の場合があり、わからないこともあります。
女性が感染した場合
女性がトリコモナス膣炎に感染してしまった場合、泡状の臭いのきつい黄緑色の膿のようなおりものが増えてしまいます。
性交時に痛みが出てきたり、外陰部や膣がかゆくなってしまったりという症状が見られます。
これは、トリコモナスが膣内の環境を変えてしまうために起こり、元々身体に備わっている膣内を綺麗に保つ働きの自浄作用が損なわれ、さまざまな細菌が増加、増殖することで、先ほどお伝えした症状が現れてしまうことが多いようです。
もし膣から泡のようなおりものが出てきている方は、トリコモナス膣炎の疑いがあるので、覚えておいてくださいね。
男性が感染した場合
男性の場合、女性のように泡状のおりものが出て、激しい悪臭を放つということはなく、逆にほとんどの場合無症状です。
もし症状として現れるとしたら、排尿時に軽く痛みがあるぐらいです。ほとんどが無症状になるので、トリコモナス症になっているかどうかを判別するには、クリニックで検査をしてもらう必要があります。
潜伏期間が長い
女性は症状としておりものから悪臭が出るとお伝えしましたが、潜伏期は~6ヶ月以内とかなり幅があります。
ですので、感染してしても症状が出ない方が20~50%程度もいるんじゃないかと言われています。症状として表面化していなくても、感染の心配がある方は、やはり検査をしてはっきりすることが一番いいのかもしれません。
トリコモナス膣炎の治療法について
トリコモナス膣炎を治療するためにはどうすればいいのでしょうか。
薬を使用しトリコモナス原虫を消失させる
トリコモナス膣炎と診断された場合、抗トリコモナス剤をお出しし、飲み薬ですがこれを7日間ほど服用していただきます。
また、同時に膣内に入れるお薬もあるため、こちらも使用していただきます。このようにお薬を飲んだり、投薬することでトリコモナス原虫が消失します。
そうすると、膣内の環境が整い、元々持つ膣内の自浄作用が回復し、起こっていた症状が改善されます。
ただ、お薬を服用しているときにお酒を飲んでしまうと、アルコール中毒の症状が出ることがあるため、治療中は原則としてお酒は禁止になります。
■アルコール中毒の症状について
急性アルコール中毒の症状・行動
次のような症状があるときは、急性アルコール中毒の危険性があります。
意識の混濁、昏睡、血圧の低下、呼吸の抑制、失禁、悪酔い。
- 顔面や全身のはっきりとした紅潮・灼熱感、発汗
- 動悸、呼吸困難、胸痛、低血圧
- 頭痛、不穏、めまい、目のかすみ
- 嘔気・嘔吐、口渇
- 脱力、低血圧、起立性低血圧(急に座ったり立ち上がったりしたときに起こる失神) など。
記憶の抜け落ち(ブラックアウト)
泥酔中の失態について後で思い出せない
アルコール性低血糖
18時間以上の飢餓状態の後に大量の飲酒をすると、低血糖が起こる
他にも、筋肉の壊死や胃の出血による吐血、転倒によるケガや事故が起きてしまう可能性もあります。
アルコール中毒の原因と症状:アサヒ急性アルコール中毒の原因・症状より引用
ピンポン感染に注意が必要
ピンポン感染とは、男女どちらか一方が感染し、性行為をすることで相手側に移る。どちらか一方が治療し、相手方が治っていないのに性行為をし、また感染してしまう。
このように治療しても相手方が治療できておらず、お互いが治療と感染を繰り返すようなことをピンポン感染といいます。
このような状態が続くこともありますし、トリコモナスと診断された場合は、パートナーの方と同時に検査し、治療することでこのような状態になるのを防げるため、ご一緒に治療に専念していただきたいと思います。
もちろん治療中は、性行為は控えていただき、まだ治療しきれていない状態では当然感染する可能性が高くなってしまいます。
他の性感染症などとの合併症の可能性も
性感染症だけではありませんが、感染症にかかってしまうと他の感染症と併発している可能性が高くなってしまいます。
トリコモナス症に感染していると、他の感染症にかかってしまっている可能性がありますので、詳しいことを調べてるために医師に相談しながら検査を行っていただくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、トリコモナス膣炎についてお伝えしていきましたが、まずは臭いのきついおりものなどが出ていれば検査を受けてください。
トリコモナス膣炎だけではなく、他の性感染症を併発している可能性があります。
お薬を飲んで、しっかり治しパートナーも感染がない、もしくは治療が完了した段階でセックスをしていただければと思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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