子宮頸がんの検査をしても卵巣がんをみつけることはできない

子宮頸がんの検査をしても卵巣がんをみつけることはできない

腕立て伏せが何回できるかをテストすると、腕立て伏せが何回できるかはわかりますが、スクワットが何回できるかはわかりません。

これと同じように、子宮頸がんの検査をしても、卵巣がんの有無はわかりません。卵巣がんをみつけるためには、卵巣がんを見つけるための検査をする必要があります。

腕立て伏せとスクワットの関係であれば、場所も離れているためわかりやすいかもしれませんが、子宮と卵巣とではあまりわからないかもしれません。だからこそ読者の方に改めて理解していただきたいことです。

今日は子宮頸がんと卵巣がんの検査はそれぞれする必要があるということをお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

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子宮頸がんに関する検査について

子宮頸がんを発見するために行う検査は、

  • 従来の細胞診
  • LBC法(液状化細胞診)
  • HPV検査
  • スクリーニング検査
  • タイピング検査

などがありますが、これらを並べただけではちょっとわかりづらいというか、分からないですよね。

従来の細胞診について

従来の細胞診は、ブラシや綿棒などを用いて細胞をぬぐい取り、それをスライドガラスに直接塗って行われていました。

この方法では、細胞の「採り方」や「採る量」によってばらつきがあったり、スライドガラスに細胞を塗る際に均一に塗りつけることができず、残った細胞はそのまま捨てられてしまうリスクがあります。
また、綿棒を使用する場合は、それ自体の吸水性が高いため、細胞が綿棒に残ってしまい、観察されないままになることもあります。

さらに、この検査では、子宮頸がんの原因となるHPVウイルスの有無を調べるHPV検査を追加することができませんでした。

ホームページより引用:子宮頸がん検診

この検査の欠点は、結果が医師の検査技量によって変わってしまう可能性があるということです。それが従来の検査の問題点であり、そこから検査方法が改善され、今ではより正確に検査ができるようになってきました。

LBC法(液状化細胞診)について

LBC法では、細胞の採取に専用ブラシを使用します。

専用ブラシで採取した細胞は、直接スライドに細胞を塗る従来の方法とは異なり、細胞保存液が入った専用容器にブラシの先端も一緒にまるごと保存し、全ての細胞が入った容器をそのまま検査に提出して顕微鏡による診断を行います。

この方法は採取された細胞を無駄にすることなく、診断に必要な細胞をスライドガラスに塗ることができ、細胞採取やスライドガラスへの塗り方のばらつきも無くなり、検体作成が標準化すると言われています。

また、LBC法は不適正標本を少なくすることや、再検査がほとんどなくなることによって、女性の体への負担や精神的不安を軽減することが期待されます。

また、異常な細胞の検出率も高いため、従来法より精密度が高く信頼のある検査法といえます。

ホームページより引用:子宮頸がん検診

ここでお伝えしている通り、LBC法という方法ではより検査の精度が上がり、女性にとっては安心できる検査方法といえると思います。

ポイントはもう一つあり、HPV検査も同時にできます。

また、LBC法検査の結果によってHPV検査を行う場合でも、保存された細胞でHPV検査を行うことができ、再度、細胞を採取する必要はありません。

また、検査でASCS-US値が検出された場合は、HPV検査も保険適応で可能です。

当クリニックでは、LBC検査と同時にHPV検査も受けられることをおすすめします。

ホームページより引用

なぜHPV検査のことを言うのかというと、子宮頸がんはHPVに感染することで引き起こされます。

子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することによって引き起こされます。

HPVは、皮膚・粘膜の接触で伝搬するため、セックスの経験がある人なら誰でも感染する可能性がある、ありふれたウイルスです。

女性の約8割が、50歳までに感染するといわれています。HPVに感染していても、多くの人は自覚症状もなく、自然の免疫力でウイルスを追い出すことができます。

HPVには100種類以上の型があり、そのうち16型や18型など、特定の型のみが子宮頸がんへと進んでいきます。

この文章を読まれて、「えっ?女性の8割が50歳までにHPVに感染するの・・・?」と不安になられたかもしれません。

もしかすると、HIV感染症(エイズ)と混同してしまっている方もいるかもしれませんが、HIVとは全く異なるものですので、ご安心ください。

このように検査方法は1つではなく、複数ありますので、具体的に知りたい方は、子宮がん検診をご覧ください。

 

子宮頸がん検査の費用について

子宮頸がんになる原因は、HPVに感染していることが原因とお伝えしましたが、そのため検査はHPVの有無を発見することが重要となります。

HPVの有無を発見するために行う検査費用は以下の通りになります。

スクリーニング検査

費用4,000円(保険外)

100種類以上あるHPV型の中から、特に子宮頸がんに進行しやすい高リスク型のHPVの感染の有無を判定します。

検査結果は4~5日と短期間で得ることができます。

タイピング検査

費用10,000円(保険外)

HPVの感染の有無だけでなく、その型を特定し(16・18・31・33・35・39・45・51・52・56・58・59・68型)、より精度の高い判定を行います。

検査結果は2週間とやや長くかかります。

 

卵巣がんを有無を調べる検査について

卵巣がんを発見するためには、上記でお伝えした検査ではみつかりません。そのため、卵巣がんをみつけるためには、専用の検査をする必要があります。

超音波検査

超音波検査では、直接卵巣がんをみつけることはできませんが、超音波検査上で悪性腫瘍などが発見された場合、卵巣がんかどうかを確定するために他のクリニックをご紹介させていただきます。

 

今回最もお伝えしたいこと

今回最もお伝えしたいことは、子宮頸がんや卵巣がんを発見するためにはそれぞれ別の検査をする必要があるということが一番お伝えしたいことです。

場所的に同じようなところの検査となりますが、実際ひとつの検査から得られる情報だけでは多くの病気を発見することができません。

サプリメントで言えば、マルチビタミンを摂っているから栄養は足りているんだ!と思っているのと似ていますよね。栄養素ってマルチビタミンだけでは足りないですが言葉的にはなんとなく身体が満たされる感じはします。

ですが、女性には亜鉛が必要だったり、鉄分、ミネラル、葉酸などさまざまな栄養素すべてが重要になります。

検査はすべて必要だということではありませんが、身体のことをより知るためにはさまざまな検査をすることが必要になります。

ですので、マルチビタミンのように、それだけですべてがわかるような検査はありませんので、子宮頸がんの検査を受けた方も卵巣がんの検査を受けていただき、それぞれの病気がない状態を確認していただきたいと思います。

 

まとめ

今回は、子宮頸がんと卵巣がんの検査は異なるということについてお伝えしていきました。

ひとつの検査ですべての病気がわかればいいですが、現状としてはそれは不可能です。そのため、より健康であるかどうかを知るために子宮頸がんの有無を知るためにはその検査を、卵巣がんの有無を知るためにはその検査が必要になります。

ひとつの検査だけではすべてがわからないので、より身体のことをより知りたい方は、複数の検査を通して身体のことを知っていただければと思います。

今回の内容が少しでも参考にしていただければと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ゆかりレディースクリニック

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