膣の入り口の腫れ|バルトリン嚢胞の症状と治療について

膣の入り口の腫れ|バルトリン嚢胞の症状と治療について

膣の入り口付近は痛みもなく、腫れている。そんな状態に気づいた方は、もしかするとバルトリン腺嚢胞かもしれません。

これは細菌が感染し、赤く腫れて痛みを伴う状態であり、この病気をバルトリン腺膿瘍といいます。

もし膣周辺の赤みで悩んでいる方は、今回の記事をぜひ参考にしていただければと思います。

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バルトリン腺嚢胞とは?

■バルトリン腺とは?

バルトリン腺(バルトリンせん)は、大前庭腺とも呼ばれ、女性の膣口の左右に一対存在する分泌腺である。粘液(バルトリン腺液)を分泌し、膣分泌液と混ざり、性交時の潤滑さを促進する。

バルトリン腺:Wikipediaより引用

バルトリン腺は、セックス時に潤滑油の働きをする粘液を分泌する器官です。その分泌液を排泄する開口部が膣の入り口の左右にあります。この開口部に細菌が感染、化膿して赤く腫れた状態をバルトリン腺炎といいます。

バルトリン腺炎が起こると開口部も詰まって分泌液がスムーズに排泄できなくなります。

その結果、腺内に粘液が溜った嚢胞(のうほう)がつくられる場合もあり、これを「バルトリン腺嚢腫」といいます。これは放置すると徐々に大きくなって、小指の先くらいから鶏卵大のしこりになります。

嚢胞内で細菌が繁殖すると内部の液は膿(うみ)となり、皮膚も真っ赤に腫れ上がります。この状態は「バルトリン腺膿瘍」と呼ばれます。

 

バルトリン腺嚢胞になる原因とは?

原因菌の多くは大腸菌、連鎖球菌やブドウ球菌などの一般化膿菌ですが、性感染症の淋菌によってもおこります。真菌(カンジダ)やトリコモナスでは起こりません。

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バルトリン腺炎になると、膣の入り口の一部が赤く球状に腫れて熱感や痛みを伴います。痛みは圧迫されると強くなり、腫れが大きくなるとい歩いたり座ったりするのが困難になることもあります。

また粘液が溜っているだけのバルトリン腺嚢胞では、しこりに触れても痛みはほとんどありませんが、細菌感染してバルトリン腺膿瘍になると、しこりは急速に増大して発熱や激しい痛みを感じます。

 

バルトリン腺膿瘍の治療について

早期で症状も軽いバルトリン腺膿瘍は、原因菌に対する抗生物質と消炎剤の服用で多少の改善はみられます。

膿が溜っている場合には注射器で吸い出すか、切開してしぼり出すなどの処置をしてから抗生物質で細菌を死滅させます。この病気は一度治療しても再発を繰り返すことが多く、早期にきちんと処置しておくことが大切です。

再発を繰り返す場合、バルトリン腺増袋術という手術を行います。

治療後に注意することは、尿や便の中の細菌から感染することも多いので、排尿・排便の後は前から後ろに向かって拭くようにしましょう。

また、セックスの前には手や外陰部をきれいに洗い、膣内が十分にうるおってからペニスを挿入することも感染を防ぐポイントの一つです。

 

まとめ

膣周辺が赤くなってしまったり、性器ヘルペスのように見慣れないできものができてしまうとかなり焦ってしまいますよね。

ただ、こういう症状はお近くのレディースクリニックで診てもらうと、なぜこのような症状になったのか、またどうすれば治療ができるのかなど、アドバイスをくれるはずです。

バルトリン腺炎もやはり原因菌がありますので、それに対する抗生物質を服用することで治療することが可能です。

女性器を見せることにも勇気がいると思いますが、女性器周辺に何かできて、悩んでいる方は、こちらの記事を参考にしていただき、悩みを早く解決できるようにしていただければと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ゆかりレディースクリニック

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